「喪の仕事」と「養子縁組」から心の傷を考える
身近な人を失い、その事実を受け入れようとする心の動きを「喪の仕事」といいます。それは「ごく自然な心の流れ」であり、悲しみを悲しみ、悔やみを体験し続けること。
どんな場合であっても自然の流れに任せられればいいのですが、必ずしもそうはいきません。
様々な事件や事故で大切な人を失った家族はおろか、事件(事故)現場に関わった人たちにも、拭い去り難い傷が心の奥に残っていくのです。
少年事件の同級生のケース
10年前、ある小学校で同級生同士の暴力傷害致死事件が起こりました。事件発生時、多くのクラスメイトは現場となった教室に。。。
...20歳になり、開かれた同窓会では誰もあの事件については語らない。
混乱の渦中にあった同級生たちは、自然の摂理に従って悲しみを悲しみ、悔やみ、恐れることができたのでしょうか?
児童養護施設の子供たち
2016年版の子ども・若者白書によりますと、保護者がいなかったり虐待を受けたりしたため施設などで暮らす「社会的養護」を受ける子供たちが全国に46,000人もいることがわかりました。
そのうち6割が児童養護施設に入所しています。そして、彼らの半数以上が「虐待を受けたことがある」と語っているのです。
・虐待防止対策の強化
・養護の質の向上
が早急に必要です!
・・・
難民孤児を養子にするハリウッド・スター
アンジェリーナ・ジョリーとブラッド・ピット夫妻は、シリアからの難民孤児を新たに養子に迎えようとしていましたが、その後どうなったのでしょうか?
アンジェリーナは当初、難民キャンプで会った孤児の3兄弟全員を一緒に、養子縁組したがっていたようですが...
「子供の数が6人から9人に増えるのは負担が大きすぎる!他の子供たちにも影響するだろう!」とのブラッドの意見に賛同。
2人は、3兄弟のうちの1人を養子に迎える手続きを進めているそうです。
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アンジェリーナ・ジョリーとブラッド・ピット夫妻には既に6人の子供たちがいます。
実子のシャイロ(9)、双子のノックスとヴィヴィアン(7)に加え、カンボジアからの養子マドックス(14)、ベトナムからの養子パックス(11)、エチオピアからの養女ザハラ(10)。
仕事が忙しく派手なことが好きなアンジェリーナに、果たしてどれほど母親らしいことができているのでしょうか?😑
アンジェリーナは、
3兄弟まとめて引き取ろうとした子供たちが、” 父親がシリア兵に連れて行かれ、家が爆破されるのを見た ” ことを知り、とても胸が痛んだそうです。
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アンジェリーナが積極的に行っている養子縁組活動は、世界中の人々に「養子縁組」のこと、さらには「難民」「孤児」の社会問題を広く知ってもらうには有効だと思いますが...
果たしてこれで子供たちは幸せなのでしょうか?
穿った見方かもしれませんが、「私は良いことをしている」と、自己満足追求のエスカレート化が過ぎるようにも思えます。
子供はペットではありません。
そこのところをしっかりと、今一度考えてみてもらいたいと思います。
追記
2014年末に公開された、日本兵が残虐な行為をする反日的な映画「アンブロークン」を監督したアンジーは...
思い立ったら即動く行動派ですが、どうも物事を一方向からしか見ていないようです。
(この映画を観るには日本人にはとても辛い...)
戦時中の日本とアメリカにはいろいろありましたが、「日本が悪い」ではなく、戦争が悪いんだ、とするスタンスで世界に「戦争反対」を訴えてくれたらいいのに...
原爆は正しくなかった、という映画も1本作ってみてくださいな。
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アメリカも韓国も、自国の非を表に出した後、他国へ言いたいことがあれば言えばいいのに...
養子縁組の件に関して言えば、3兄弟を引き離して一人だけ養子にするよりも、3兄弟が一緒に暮らせるよう、別の形で支援をする、といった選択肢はなかったのでしょうか??
2015年3月に卵巣を摘出し、もう子供を産むことはないアンジー...
その決断力と行動力は本当に見習わなければなりませんね!
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最後に...
皆さんは「愛知方式」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
これは、愛知県が取り組んでいる「0歳児を対象とした養子縁組制度」のことです。
「全ての赤ちゃんに愛情と家庭を!」
様々な事情で乳児院には約3000人の赤ちゃんがいます。その半数は...親元に戻る見込みがない...
養子縁組がすすまないまま、児童養護施設に預けられ長期間過ごすことも珍しくはありません。
愛知県の児童相談所が30年以上実施している「愛知モデル」と呼ばれる赤ちゃん縁組や民間団体による特別養子縁組などがたまにテレビなどで取り上げられていますが、ここでも「愛知方式」を紹介しておきましょう。
愛知方式
1)妊娠をして、自分は育てられない女性がいるという連絡が児童相談所などに入る。妊娠中からの相談を受ける。
2)すでに里親登録をし、特別養子縁組を希望している夫婦に連絡
3)妊娠中の実親と病院で対面することもある。生後5,6日で退院する時点では里親が決まる。
4)乳児院を経ず直接家庭へ。
いかがでしょうか?
新生児を「特別養子縁組前提で里親委託する」という方式...「新生児里親委託」と呼ばれる取り組みです。この方式で愛知県は31年間で160組の縁組を成立させています。
赤ちゃんの性別は選べませんし、障害があってもきちんと育てること、また民法上の手続き(戸籍上の養子縁組)が済む前に産んだ母親が意志を変えれば、その時点で赤ちゃんを返すことなど、いろいろな確認があって成立するものなのです。
また、望んで登録しても、すぐに赤ちゃんが来る場合もあれば、何年も待つこともあるそうです。即養子縁組ではなく、家庭裁判所に認められ、正式な親子になるまで時間もかかります。
全国で養子縁組される子どもたちは年間300人、そのうち妊娠時からの相談は珍しい。。。この方式が全国でも類を見ないスピーディなマッチングで、親にとっても子どもにとっても養親にとっても、さまざまな幸福を生み出していることは間違いないでしょう。
そして、、、
幼少期に親を亡くした子供たちの「喪の仕事」を考えると、人生とは残酷なものだなぁとシミジミ考えさせられます。