【不動産投資信託】為替変動が怖い海外?それともバブル崩壊リスクのある国内?
現在、投資信託市場ではリート(不動産投資信託)を投資対象とするファンドの人気が高まっているといいます。昨年の米国の利上げや中国景気の先行き不透明、円高、芳しくない国内の株式市場...こうしたことを総合的に考えてみると「投資環境は悪化している」と言えるのではないでしょうか。
そんな中、近頃販売が好調な投信としてリートが注目されています。
しかも海外のリート!
さらに、毎月分配金を支払う「毎月分配型」が人気だとか。
(なぜか、個人投資家さんはこれが好きなようで...)
この背景の一つは円高。それに伴い、ブラジルレアルなどの高金利通貨を使った、高い分配金を出し続けてきた投信から、投資家たちが離れていっているのです。分配金は減り、基準価額は下落...
これに対し、現在販売好調な投信は、一定の分配金を安定して出しているため人気なようです。
以上述べてきましたように、現状は「海外不動産投資信託」が人気なのですが、やはり「海外リート」は為替の影響を大きく受けます。今後さらに円高が進むようであれば、減配や基準価額の下落は避けられないでしょう。そう考えますと、個人投資家の資産運用先として資金を集中させる場所はここにはないようです。
では、
国内リートはどうか?
利回りの高さから、海外の「ハイイールド債(格付けが低く利回りの高い債券)」や「海外REIT(不動産投資信託)」を対象とする投資信託が注目を浴びています。しかし、繰り返しになりますが、外貨建て商品にはどうしても為替リスクがあります。極力リスクを減らして利回りを確保したい場合には、国内リートに目を向けた方が良いのかもしれません。
【参考までに】
投資家から集めた資金で不動産を運用して得た賃料収入などを投資家に分配するREITは、 基本的に利益の9割超を分配すれば法人税が課税されないため、高い利回りが期待できるようになっています。「消費増税凍結」による不動産市場に吹く追い風...
そんな中、東証に上場するJ-REITでは、平均利回りが3%超となっています。
REITの収益源はオフィスビルや賃貸マンションなどの賃料なので、オフィスビルの空室率が下がっている今、「安定」かつ「配当良し」。
ちなみに
サラリーマン大家さんはどうか?
住宅ローンの金利が下がっていることから、「よしっ、実物の不動産投資にしよう!」と考える人もいるかと思いますが、「物件選び」や長期的な「収益分析」はとても大変で難しいものです。「売りたい」と思った時にすぐに売れるわけでもありません。
厳しいことを言いますが
片手間でサラリーマンが大家をやってもダメ!
空室リスクは常につきまとい、必ずしも当初期待した利回りを得られるとは限らないのです。
そう考えると、片手間で自身がマンション経営に乗り出すよりも、国内リートの方が安全と言えます。少なくとも、東京五輪に向けた不動産需要の高まりは期待できますし、収入源は賃料なので、今後期待されるインフレに伴う賃料上昇も分配金の増加要因となります。
しかーーーーし!
不動産バブル崩壊が起こるかも!
2020年の東京五輪に向けて、東京都心を中心に盛り上がっている不動産市場。しかし、ある不動産業者はこう語ってくれました。
「実は地方だけでなく都心部でも、すでに供給過多となっています。」
そうだろうなー
例えば、最も需要が多いとされている都心3区(千代田区・中央区・港区)の中古マンションの在庫件数は右肩上がりで増え始め、2016年現在、前年同月比80%超!と大きく積み上がっているようです。
それだけではありません!
新築物件の契約率は現在、好調とされる70%を割り込む状況が相次いでいるというのです!
リーマン・ショック(2008年) 以来の最悪水準とも言われています!
他にも
某住宅メーカーの販売用不動産の保有金額を見てみると、1年前の3倍以上!これは明らかに供給過多なのです!これらのデータを見る限り、人気の高い都心部であっても物件が売れずに在庫が積み上がっている状況なのです。ってことはアレです。近い将来、
不動産バブル崩壊...になるかも
振り返ってみますと、1990年代初めのバブル崩壊は「不動産バブルの崩壊」が引き金となりました。「本当に大丈夫かアベノミクス?」「何やっているんだ東京都知事!」「大地震のリスク?」「都心部でも高齢化?」「止められない人口減少」...
不動産に投資するにはこうもたくさんの不安材料があるのです。
短期的もしくは中期的に見て国内リートはありだと思いますが、
都心部のマンション経営などは要注意かもしれません。
息切れするアベノミクスとともに、「不動産市場の変調」を
注意深く見守っていくしかありませんね。