SMAPメンバーそれぞれの想いとジャニーズ勢力図の未来
SMAPとして最後の出演となった「スマスマ」は5人揃っての歌(収録)はあったものの、個々の挨拶はなくフィナーレを迎えました。偉大なアイドルグループとしてのラストには、物足りなさだけが残る形となりました。
思い起こせば、独立・解散に動いた中居正広ら4人と木村拓哉の対立軸が大きくクローズアップされた独立劇は2016年1月のこと。異例の公開謝罪。ジャニーズ事務所がお膳立てしたテレビ謝罪を巡っては、「可哀想」という意見が大半を占めシコリを残していました。
ギクシャクするメンバー。紅白出場は到底無理。埋めようのないメンバー間のミゾ。加えて、事務所との間にも確執が生まれています。副社長に、「踊りは下手」と週刊誌で公然と言われたことに端を発したお家騒動は、ついに2016年12月31日のスマップ解散を持って幕を閉じることとなるのです。
香取慎吾には「芸能界引退」の噂も流れました。
ただ、芸能界は最終的には個人の才能で生き抜く世界です。2017年以降、5人はライバルとして芸能界で競いあっていくことでしょう。
ジャニーズ事務所内の新たな“年功序列ランク
現在、ジャニーズ事務所内における年功序列ランクは、上から近藤真彦(52)・東山紀之(50)・木村拓哉(44)・TOKIO、V6です。本来であれば、キムタクの部分には中居正広(44)が並ぶわけですが、今後は空席となり、そこに滝沢秀明(34)が入ってくることになりそうです。
タッキーこと滝沢はジャニーズJr.時代から、ジャニー喜多川社長(85)の寵愛を受けてきました。『週刊文春』では、ジャニーズ事務所について「感謝するのは当たり前。それをわからなかったらアホでしょう」とコメントしています
当然、この発言は解散騒動真っ只中にあったSMAPを、暗に批判するものでした。これにより、滝沢のジャニーズ事務所への忠誠心が明らかになったのです。
"寵愛" が背景にありますが、タッキーはジャニーズ内でエリートコースを歩んできています。どのタイミングで幹部となる話があっても不思議ではありません。今回のSMAP解散は、まさにそのタイミングなのでしょう。
週刊誌を通じてのタッキー発言は、ジャニー社長・メリー副社長の両者に好印象を与えました。滝沢はもともと、単独の活動の多いタレントです。近年では俳優活動が目立ちますが、今後は様々な形でより一層優遇されることになるのでは言われています。
そして、もし中居の退社があるとすれば、MCの仕事が増える可能性も出てくるでしょう。キムタクは基本的に「バラエティが苦手で使い物にならない」と事務所は最初からアテにしていません。これまで中居にオファーが来ていたような仕事を、滝沢に回す...ということになりそうです。
タッキー & 翼の "つばさ"は?
タッキーといえば、今井翼(35)とのユニット・タッキー&翼ですが、今後、この活動はどうなるのでしょうか?近年は、あまり目立った活動がありません。滝沢のソロ活動が目立つ一方で、今井の影は薄くなっています。
ある関係者の話では、今井は日頃から中居のことを慕っており、SMAPの解散についても事務所に対する不満をぶつけていたと言われています。こうした状態の今井は...切り捨てられるのかもしれません。
ラストステージの表情・動作にみる、SMAPそれぞれの想い
12月26日に放送された「SMAP×SMAP」のラストステージ「世界に一つだけの花」の中でメンバーが見せたそれぞれの想いを、表情・動作の観点からみてみましょう。
◆悲しみを笑顔に置き換える中居正広と抑え込もうとする木村拓哉
感情のブレが特に大きく見受けられたのがこの二人です。歌を歌っている最中、そして歌い終わった後、全てのメンバーに涙をこらえる表情や姿勢が観られましたが、この二人の表情は特に印象的でした。
中居には、歌の冒頭から最後まで、眉がハノ字になる様子が観られました。これは悲しみを表しています。意図的にこの動きをするのは難しいのですが、悲しみを感じると自然に動いてしまうのです。そして、もう一つ注目したいのが眉間のしわです。これは、涙が出て来るのを抑えるためだったのでしょう。
一方のキムタクは、歌っている最中には見せなかった悲しみの表情が、歌が終わり、最後に全員で礼をする直前に一瞬だけ、微表情として表れていました。頭を上げたときにも悲しみの表情が。
キムタクの悲しみ表情の特徴は、ハノ字眉、口角が引き下げられる、下唇が引き上げられる動きなどです。
メンバーの中で、特にこの二人が悲しみの感情を強く抱いていたと考えられます。
その他に印象的だったのは、ステージ後の各メンバーの表情や動作です。歌が終わり全員で礼をし、幕が下がります。その後、全員が頭を上げた後の様子が映し出されていました。各メンバーの想いはどんなものだったのでしょうか。
◆他のメンバーの想い
稲垣の目を観ると涙がうっすら浮かんでいます。上を向いて涙がこぼれないようにしている感じです。表情は一見クールですが、熱い想いが目から読みとれます。最後までクールな自己像を見せるプロ魂を感じました。
草彅の穏やかな眼差しと引き上げられた口角からは、安堵感が感じられます。1月の謝罪会見の表情とは打って変わって、心の平安が映し出されたような表情でした。
香取は目を閉じて頭はやや上を向いていました。目を閉じるという表情は、記憶の想起です。さらに、口角が引き上げられている幸福表情と合わせて考えると、SMAPの良き思い出を回想していたのかも知れません。
◆他のメンバーともっと一緒にいたかった木村拓哉
ラストのシーンで、キムタクの左足の向きは他のメンバーの方へと向いていました。これはキムタクが、他のメンバーともっと一緒にいたかったという気持ちを表しているものと思われます。
メンバーの笑顔にまたどこかで会えることを期待しましょう。