「訪日外国人」& 「旅行・観光業に依存している国」ランキング
(日本を含め) 世界的に右肩上がりの成長を続けている観光産業は、2010年には世界のGDPの12.5%にまで達しました。「21世紀最大の産業になる」とまで言われています。ちなみに2019年の訪日外国人数は前年比2.2%増の3188万人。それに伴う旅行消費は6.5%増の4.8兆円となっています。出国日本人数 (2008万人) を大きく上回っています。
日本を訪れる外国人観光客数は年々増えてきており、日本経済にとっても非常に重要な存在となっています。東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年には4,000万人にまで引き上げることを目標に掲げていますが、残念ながら「新型コロナウイルス」(Covid 19) の感染拡大に伴い、目標達成は難しい状況となってきています。航空会社はフライトをキャンセルし、ホテルは一時的にそのドアを閉め、世界各地で入国制限が行われています。
2019年の訪日外国人ランキング
順位 | 国名 | 人数 | 伸び率 (前年比) |
1 | 中国 | 9,594,300人 | 14.5% |
2 | 韓国 | 5,584,600人 | -25.9% |
3 | 台湾 | 4,890,600人 | 2.8% |
4 | 香港 | 2,290,700人 | 3.8% |
5 | アメリカ | 1,723,900人 | 12.9% |
6 | タイ | 1,319,000人 | 16.5% |
7 | オーストラリア | 621,800人 | 12.6% |
8 | フィリピン | 613,100人 | 21.7% |
9 | マレーシア | 501,700人 | 7.1% |
10 | ベトナム | 495,100人 | 27.3% |
11 | シンガポール | 492,300人 | 12.6% |
12 | イギリス | 424,200人 | 27.0% |
13 | インドネシア | 412,800人 | 4.0% |
14 | カナダ | 375,200人 | 13.5% |
15 | フランス | 336,400人 | 10.3% |
16 | ドイツ | 236,500人 | 9.8% |
17 | インド | 175,900人 | 14.2% |
18 | イタリア | 162,800人 | 8.5% |
19 | スペイン | 130,200人 | 9.5% |
20 | ロシア | 120,000人 | 26.6% |
– | その他 | 1,381,000人 | 15.2% |
以上のことから、全体の7割は東アジアの国々が占めていることがわかります。続いて欧米・豪が13%、東南アジア・インドが12.6%、その他の地域が4.3%の比率となっています。
旅行・観光業に依存している国ランキング
あるデータによると、100人の観光客は韓国の労働市場をほとんど変えなかった一方で、100人の観光客はバングラデシュの労働市場に944の雇用を生み出したといいます。つまり、観光業は途上国 (特に島国や天然資源の乏しい国) の経済成長を促す効果的な方法であると言えるでしょう。一方で、環境を破壊したり長期的なビジョンを必要とする産業を締め出すことにつながりかねないといいます。
ここでは「雇用創出」というメリットの面に注目して、観光業が多くの雇用を創出している国ランキングを見ていきたいと思います。
🔴 10位 ナイジェリア
旅行者100人あたりで生み出された雇用は66人です。ちなみに2016年度の観光客数は約526万人。約350万人の雇用が生み出された計算になります。
GDPに占める観光業の割合:5%
🔵 9位 リビア
旅行者100人あたりで生み出された雇用は68人です。2013年度の観光客数は約14万人で、約10万人の雇用が生み出された計算になります。
GDPに占める観光業の割合:3.3%
🔴 8位 ギニア
旅行者100人あたりで生み出された雇用は77人です。2017年度の観光客数は約10万人で、約8万人の雇用が生み出された計算になります。
GDPに占める観光業の割合:5%
🔵 7位 フィリピン
旅行者100人あたりで生み出された雇用は83人です。2017年度の観光客数は約660万人で、約550万人の雇用が生み出された計算になります。
GDPに占める観光業の割合:24.7%
🔴 6位 マダガスカル
旅行者100人あたりで生み出された雇用は93人です。2018年度の観光客数は約30万人で、約28万人の雇用が生み出された計算になります。
GDPに占める観光業の割合:15.7%
🔵 5位 エチオピア
旅行者100人あたりで生み出された雇用は99人です。2017年度の観光客数は約93万人で、約92万人の雇用が生み出された計算になります。
GDPに占める観光業の割合:9.4%
🔴 4位 ベネズエラ
旅行者100人あたりで生み出された雇用は101人です。2017年度の観光客数は約42万人で、約42万人の雇用が生み出された計算になります。
GDPに占める観光業の割合:9.7%
🔵 3位 パキスタン
旅行者100人あたりで生み出された雇用は154人です。2012年度の観光客数は約96万人で、約150万人の雇用が生み出された計算になります。
GDPに占める観光業の割合:7.1%
🔴 2位 インド
旅行者100人あたりで生み出された雇用は172人です。2017年度の観光客数は約1554万人で、約2700万人の雇用が生み出された計算になります。
GDPに占める観光業の割合:9.2%
🔵 1位 バングラデシュ
旅行者100人あたりで生み出された雇用は944人です。2017年度の観光客数は約102万人で、約960万人の雇用が生み出された計算になります。
GDPに占める観光業の割合:4.4%
おわりに
2019年度は訪日外国人の消費額が過去最高になりました (年間5兆円弱)。地域別では中国が4割も占め最も多く、1人あたりの旅行支出トップはフランスとなっています。一方で韓国の支出額は32%も減少しています。今回の新型コロナウイルスのような異例の事態に大打撃を受けなくて済むように、旅行・観光業においても中韓に依存しすぎないようにしないといけません。
それにしても、「東京五輪が中止になったら7〜8兆円の損失」という試算額には驚きですね。1年間の訪日外国人が日本に落としてくれる消費額をはるかに上回っています。無事、オリンピックが開催されることを心より願うほかありません。