東京五輪2020を絶対「中止」にできない理由
JFA (日本サッカー協会) の田嶋幸三会長は、今夏の開催が懸念されている東京オリンピック2020について、「今、変更を決めることはできない。予定通り開催したい」と言及しています。同時期に行われる予定だったEUROとコパ・アメリカが1年延期になったにも関わらずです。
当然、日本が独自に「中止や延期」を決定することはできませんし、 日本がそれをやってしまうと莫大な損害を日本だけが被ってしまう恐れもあるので、軽々しくは発言できません。できることならIOCに「延期」と言ってもらって、損失分を相互に負担し合うことが望ましいことなのです。
2013年決定時の喜びよう...
新型コロナウイルスの猛威によって、東京五輪の「延期」もしくは「中止」が現実味を帯びてきました。どうしても「予定通りの開催」にするのであれば、
① 日本国内における感染病の完全収束
② 観客は日本国内に住む人に限定
③ 五輪期間中の出入国禁止
を徹底して行う必要があります。それでも、全世界に広がりを見せている現状からすれば、ほとんどの人たちからは歓迎されない大会になることは間違いないでしょう。できれば1〜2年後に延期していただきたいものです。ところでもし「中止・延期」になったら、どのような損失が発生するのでしょうか。一説によれば、中止で約4兆円、延期で約7000億円の損失が出るのだとか。
そんな事情もあって、日本政府・東京都・組織委員会の誰もが言い出せずにいるのです。確かに、無駄になる膨大な費用を考えれば、責任を負うのが恐ろしくて口に出せませんよねー。最悪、絶対に中止だけは阻止しなければ!
新国立競技場の建設費 : 1570億円
総工費が3000億円に膨らんだザハ・ハディド案から二転三転したのちに、ようやく半額ほどの予算に落ち着くことができました。おかげで「屋根なしで天候に左右される」会場になってしまいました。
選手村 : 約1000億円
再開発整備費に約540億円、宿泊棟内装費に約447億円かかっています。おまけに中止ともなれば1万8000台のベッドが無駄になってしまいます。2019年夏からは「選手村マンション」として分譲販売も開始されています。5600戸の街が誕生するはずですが、東京五輪がなくなればプレミア感も削がれ落ちてしまいます。
有明アリーナ : 370億円
バレーボールなどの競技会場として整備。アリーナはバレーボール4面を取れるほどの広さで、大会後も唯一黒字が見込める施設とされる。
海の森水上競技場 : 308億円
「水上競技」の国際水準を満たす競技場となっています。カヌー競技に使われる予定ですが、大会後は夏場の需要しか見込めず維持費は赤字になることでしょう。
高輪ゲートウェイ駅 : 約200億円
オリンピックのため「高輪ゲートウェイ駅」が3月14日にオープン。49年ぶりに作られた山手線の新駅ということです。駅前を五輪のパブリックビューイング会場に考えていたわけですが、「中止」となれば当てが外れて周辺開発にも悪影響が出ると言われています。
大会招致費 : 88億円
2013年9月、「東京開催」が決定しました。この招致のために多方面で多くのお金が使用されています。中でも「海外のコンサルティング会社に2億3000万円を支払っていた」ことがわかった際には大バッシングを浴びました。
カヌー・スラロームセンター : 73億円
水の流れを人工的に作り出す「国内初のコース」として新たに整備されました。五輪後も水上レジャー施設としての活用が見込まれていますが、試算ではすでに赤字が判明しています。
その他
ほかにも、
●エンブレム関連 (1億円以上かかっています)
●カウントダウン・ボード (全国各地に設置予定)
●オフィシャルショップ (全国80店舗以上)
●メダル (約5000個)
●ボランティア研修