もしも、幼い子のいるお母さんが癌になったら...
市川海老蔵さんの妻でフリーアナウンサーでもある小林麻央さんが「進行性の乳がん」であることを公表しました。彼女は4歳の麗禾ちゃんと3歳の勸玄くんのお母さんでもあります。
国立がん研究センターによりますと、昨年、癌と診断された女性のうち18歳未満の子どもがいるお母さんは推計3万人超!親が癌と診断された子どもたちの平均年齢は11歳だそうです。実は近年、結婚や出産をする年齢が上がっていることなどに伴い、子どもが未成年のうちに癌にかかる親の割合が増えてきているというのです。
【母としての苦悩】
母でありがんである患者さんは、いったいどんな不安や悩みを抱えているのでしょうか?それは、死への恐怖、不安、体の痛みよりも「子どもの成長を見届けられないかもしれない」ということ。
「私がいなくなったら...」
と思うと、それだけで胸が苦しく涙が出てきます。
そして
「笑顔で接したいのに精神的に余裕なく、つい子どもを怒ってしまう」
【海老蔵・麻央夫妻も】
小さい子どものそばにいられない母親の辛さ
申し訳ないと思う気持ち
これらの、自身の痛みや恐怖よりも「子を思う親の気持ち」の方が先にきてしまうのです。
しかしながら
【お母さんが不安になると...】
ママという立場でありながら乳がんにかかってしまった人たちの半数は「うつ状態」になると言われています。そしてその子供たちも、不安になって注意力が落ちたり内向的になる傾向が見られるようです。
中にはこんな子供たちもいます。
【ぼくがいるよ】
お母さんが乳がんになった小学生のYくんは、気丈にもこんなことを話してくれました。
「お母さんはいつも一人で頑張りすぎてしまうんだ」
「でもね、お母さん」
「僕がついているからね」
「無理はしないで病気を治すことだけ考えて」
「お願いだよ」
まだまだ子供だと思っていた我が子の言葉に、Yくんのお母さんは頼もしく思い、「絶対この病気に打ち勝つんだ」 という気持ちを持てたそうです。
【自然な感情を表に出していくことの大切さ】
例えば、「子どもの前で泣いてしまいそうだけどそんなわけにはいかない」というお母さんがいます。けれども、無理して感情を押し殺す必要はないのです。自然な感情を見せることこそがお互いにとって大事なことなのです。ただ、子どもや痛みのせいで泣いているのではない、ということは伝えてあげましょう。
【けっして一人ではないんですよ】
お母さんもお子さんも、癌になったからといってけっして一人ではありませんよ。いやむしろ、がんになったからこそ再認識させられる大切なことがあるはずです。それは...
家族の絆
確かに、命を失うかもしれない病と闘うことは親にとっても子にとってもつらく大変なものです。だからこそ、普段以上に親子がお互いのことを大事に思い助け合うことが必要なのです。お互いに気を遣い合ってはいけません。遠慮なく甘え、正直な胸の内を語り合ってください。
Yくんのように「ぼくにもっと頼ってもいいよ」と言ってくれるお子さんや家族、周囲の人たちに思いっきり甘えてください。あなたの周りには同じ境遇にある患者さんもいるはずです。その方たちとも率直な意見を交換し合い、一人で頑張りすぎないようにしてくださいね。
麻央さんも、北斗晶さんも、そして多くの同じ境遇にある方々も、包み隠さない自分の姿をさらけ出しながら、病と闘っているはずなのですから。