有名人と社会問題のお話 〜芸能ニュースから学ぶこと

芸能・セレブの話題に社会問題を絡めて発信しています!

世界のGDP (経済大国) ランキング

「経済大国」と聞いて、「1位:アメリカ」「2位:中国」「3位:日本」くらいはご存知でしょう。では、今から10年後はどうなっていると思いますか?様々な要素を考慮して、近未来を予想してみるのも面白いですよ。その前に、「GDPランキング」の現状を以下で再確認しておきましょう。

 

 

30〜26位

30位: アラブ首長国連邦  (3820億USドル)

 近年は石油 (エネルギー) に依存しない経済体制を作るため他の産業にも力を入れています。

29位: ノルウェー  (3980億USドル)

 輸出の半数近くが石油・ガスなので、原油価格に影響されやすい比較的不安定な経済構造と言えるでしょう。

28位: オーストリア  (4170億USドル)

 周辺国 (ドイツなど) とのつながりが強く、地域に密着した産業が盛んです。

27位: イラン  (4300億USドル)

 世界有数のエネルギー資源国で、原油の埋蔵量は世界第4位。ちなみに天然ガスの埋蔵量は世界第1位を誇っています。国際社会との関係悪化問題もありますが、それが解消できれば高い成長が見込まれる国です。

26位: タイ  (4550億USドル)

東南アジア経済圏においてはインドネシアと並んで大きな影響力を持っています。

 

 

f:id:celebritynews:20200314113935p:plain

 

25〜21位

25位: ベルギー  (4930億USドル)

欧州の主要機関が多く、金属や化学などの分野も盛んです。

24位: ポーランド  (5240億USドル)

 近年は建設需要の停滞や労働人口の流出もあって「経済成長」が伸び悩んでおり、国内消費や生産減少に波及する恐れもあります。

23位:  スウェーデン  (5350億USドル)

 世界を代表する福祉国家で消費税や物価が高い国ですが、その分幸福度も高く、日本も参考にするべき点が多々あります。

22位:  台湾  (5720億USドル)

高雄などでは中国の経済特区に類似した先端技術産業が盛んです。また、アジアの他国に対して債権国となったことで通貨危機時に安定した対応をとることができるようになっています。

21位: アルゼンチン  (6370億USドル)

近年は経済情勢が芳しくなく、しばしばデフォルトを起こしています。それに伴い自国通貨安に転じているため、国債金利が急騰するという負のスパイラルに悩まされています。

 

 

f:id:celebritynews:20200314114146p:plain

 

20〜16位

 

20位: スイス  (6780億USドル)

小さな国土と人口でこれだけのGDPを実現できるのはすごいことです。ハイスペックな金融ノウハウのおかげと言えるでしょう。

19位: サウジアラビア  (6860億USドル)

 現在、大きな石油依存体質から脱却すべく、非石油関連事業への注力を行っています。

18位: オランダ  (8320億USドル)

オーストラリアなどとともに、長期成長を続ける国の例として挙げられます。近年ではファッションなどのクリエイティブ系の産業も盛んになっています。

17位: トルコ  (8510億USドル)

 トルコは経常収支と財政収支の両面で赤字を抱えており、自国通貨も不安定です。また中東情勢とも密接に関わってくるので、今後の見通しはよくわかりません。

16位: インドネシア  (1兆150億USドル)

 人口が継続的に増え続けており、東南アジア諸国の中で高い経済成長率を期待されている国の一つです。国内に十分なマーケットがあるため産業が育ちやすいというメリットもあります。

 

f:id:celebritynews:20200314114232p:plain

 

15〜11位

15位: メキシコ  (1兆1510億USドル)

中南米ではブラジルやアルゼンチンが経済停滞している中で、(財政規律が安定している) メキシコは4%の成長率を維持しています。ただし、産業の軸である原油生産の落ち込みや、アメリカ市場におけるライバルが台頭してきた場合には厳しい状況に陥る可能性もあります。

14位: スペイン   (1兆3130億USドル)

 欧州債務危機でイタリア同様に影響を受けました。また、カタルーニャ地方の独立問題など緊張状態が続いていることも経済に影響しています。

13位: オーストラリア   (1兆3790億USドル)

 オーストラリアは長期的にうまく経済成長を続けている国の一つです。英語を話せる他国からの労働人口の増加によって生産増や内需の拡大が見込まれており、今後も堅実な成長が予測されています。

12位: 韓国   (1兆5400億USドル)

主力であるサムスン電子に代表される半導体事業が伸び悩みを見せています。日韓・米韓・中韓関係がうまくいくかどうかが今後の成長の鍵を握っているとも言えるでしょう。

11位: ロシア   (1兆5770億USドル)

ワールドカップ以降の建設ラッシュの落ち込みもありましたが、豊かな資源を武器に今後も地道に成長を続ける見込みです。

 

f:id:celebritynews:20200314114304p:plain

 

10〜6位

 

10位: カナダ   (1兆5630億USドル)

 成長速度は緩やかなので、2030年頃のランキングでは16位くらいにまで下がっているだろうと予測されています。アメリカ・メキシコあたりとの貿易状況に強く影響を受けやすい国とも言えるでしょう。

9位: イタリア   (1.9兆USドル)

 イタリアは欧州債務危機の飛び火を受けて深刻な経済状況を経験しました。今でも、政府債務残高が外国投資家の保有割合が高水準...ということもあって、彼らの離散が大きな懸念材料です。

8位: ブラジル   (2兆550億USドル)

 2017年に復調の兆しを見せ、2018年以降は継続的な成長路線へと転じる見込みです。

7位: フランス   (2兆5870億USドル)

 世界有数の観光国でありながら、かつ世界トップの輸出入を誇る国でもあります。しかしながら近年は、欧州一体に広がった経済停滞の流れや移民の流入を受けて、特に失業率が高い水準となっています。

6位: インド   (約2.7兆USドル)

 農業はもちろんのこと、バンガロールではシリコンバレーのような高度技術者を誘致し、インド発のハイテク産業化を目指しています。

 

 

 

f:id:celebritynews:20200314113815p:plain

 

 

5〜1位

5位: イギリス   (約2.8兆USドル)

 強い英国ではありますが、今後はEUからの脱退が吉となるか否かが大きな問題となりそうです。内政が不安定になればなるほど持続的な経済成長は見込みにくくなるため、2030年頃には8位くらいに後退するとも予想されています。

4位: ドイツ   (約3.7兆USドル)

自動車・機械産業は堅調に伸びています。その反面、移民やイギリスのEU離脱といった様々な問題によって危険にさらされている状況でもあります。とはいえ、財政規律の観点からみると欧州トップの安定性を誇っているので、長期的には成長すると見込まれています。

3位: 日本   (約4.8兆USドル)

少子高齢化に伴う消費行動の減退や労働力不足などもあって、国内では長期的な低迷が続いています。市場の縮小と労働人口の減少をどう対処するかが今後の課題と言えるでしょう。

2位: 中国   (約12兆USドル)

 今や誰もが認める経済大国となりました。今後も若干の人口増はあるでしょうが、国内での賃金水準の上昇が顕著なため、従来のような低賃金労働力が確保できないことから一部国外移転が進んでいるケースもあります。

1位: アメリカ   (約20兆USドル)

世界一の経済大国はダントツでアメリカです。農業もハイテク産業も世界トップレベルなのです。今後も世界の中心はアメリカであり続けることは間違いないでしょう。

 

 

f:id:celebritynews:20200314114338p:plain

 

一人あたりのGDPは...

 日本はドルベースの名目GDPが今なお世界3位ではありますが、国民1人あたりのGDPは26位に転落したという評論家の意見もあります。GDPの成長率が「名目」も「実質」も低いので、生活面で劇的な改善は見られず、働いても給料が上がらないといった閉塞感が日本全体に漂っています。とはいえ、実際には日本の「一人あたりのGDP」は勤労世帯で見ればむしろ健闘しているとも言えます。実際に足を引っ張っているのは「付加価値の低い産業の温存」と「低所得でも楽しく働いている高齢者世帯の急増」なのです。裏を返せば、付加価値の高い金融業やソフトウェア産業の振興を行い、低い所得で働いてしまう高齢者を普通の労働者の賃金にまで引き上げれば、あっという間に日本人一人あたりのGDPは改善します。もちろん「それでいいのか」という議論があるでしょうが、GDPのランキングには様々なカラクリも存在するわけです。

ちなみに「一人あたりのGDP」でみる優等生な国にはルクセンブルク、スイス、マカオなどが入っています。いずれも「金融」「ソフトウェア」「観光」に特化した小国であり、アメリカでさえこのランキングでは9位となってしまっています。かつて (1988年) 「一人あたりのGDP」が2位だった日本はバブル経済の最終局面にありました。労働人口もピークでした。我が国の経済政策は「脱デフレ」の掛け声のもと、バブル経済の後遺症を30年かけてなお低迷している現状があります。今後も、物価も景気もそう簡単には上向かないのかもしれませんね。皆さんは、どうしたらいいと思いますか?

 

 

f:id:celebritynews:20200314114035p:plain

 

 

おわりに

 筆者は、経済の構造改革を本気で進めるべきだと考えています。産業の転換を促す抜本的な政策を行い、農本主義的な地方へのばら撒きや製造業に対する支援を全て打ち切るべきなのです。その一方で、金融やソフトウェアなどの「カネになる産業」「世界で戦える業界」に特化して予算と人材をつけ、子どもの教育から産業競争力に至るまで一貫した経済政策を実現する必要があるのです。安倍政権においては「地方創生」「ふるさと納税」などの縫合策に徹し、都市部も地方も一体となった日本経済全体をどうにかするという取捨選択をしない政治にシフトしました。その結果、特別な改革的好転は産まれてきていないのです。日本経済は国際社会の中で相対的に競争力を失ってしまいました。魅力のない衰退国家になりつつあるとも言えるでしょう。全体のGDPは今なお世界第3位であり、労働力人口の減衰があってもなお余力は残されています。

今後は、国際競争力を確保するためにお荷物になっている地方経済や高齢者に対する救済を産業力強化に振り分けるべきなのか、ある程度の衰退は受け入れながらも今ある平等を目指して努力を続けるべきなのか。。。巨大な貿易相手国である中国の大規模な景気低迷の波が日本を襲う前に、深い議論を推し進めていくときなのかもしれません。さらに今後は中国に見られるような人口増加に伴う爆発的な経済成長が「インド、インドネシア、フィリピン、バングラデシュ、イラン」などでも予測されています。また、今はまだ第二集団に位置付けられている国々の台頭も予想されます。「メキシコ、南アフリカ、トルコ、エジプト」なども、2030年には日本を上回るほどの経済規模を誇るようになるとも言われています。つまり、現在のアメリカ & 中国による経済的な覇権はそう長くは続かないとも考えられているのです。もしかしたら、ほんの10年ほどで今とは全く異なる世界経済が広がっているかもしれないのです。少子高齢化や人口減少に悩む日本ですが、なんとか国際競争力を高め、再び世界のトップに返り咲きたいところですね。