日本での「インフルエンザ」死亡者数は? (「新型コロナウイルス」で考えること)
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる「肺と気道の感染症」です。感染すると、頭痛・発熱・喉の痛み・咳・鼻水・筋肉痛・倦怠感などが生じます。くしゃみ・せきなどで飛沫感染したり、鼻の分泌物に直接触れたりすることで感染します。毎年、予防接種を受けることをおすすめしますが、そうでない場合は流行のシーズンには人混みを避けること、そして「安静」「水分補給」「免疫力UP」が大事になってきます。
インフルエンザの原因は風邪とは異なるウイルスです。症状も風邪より重く、気道のかるか奥の細胞にまで影響を及ぼします。
おかしいなと思ったら...
高熱 (38.5℃以上) でない場合、あるいは下痢等の症状がない場合は一般の風邪と同じ対応で良いでしょう。「安静」をメインに、「水分」や「栄養」を十分に摂りましょう。高熱の場合には、発症後48時間以内であれば抗インフルエンザ薬(タミフルやリレンザ等)の効果が期待できます。ただし、発症後すぐに受診しても検査で陽性が出ない場合もありますので、6時間以上経ってから受診することをおすすめします。感染力が強いので、疑わしい症状のある時は必ず受診しましょう。
日本でのインフルエンザ死亡者数
インフルエンザによる死亡については、直接の原因がインフルエンザではなく間接的原因で亡くなる方も多くいらっしゃいます。例えば、高齢者で免疫力が著しく低い方であったり、他の疾患を患っている方などです。したがって、日本におけるインフルエンザ起因の死亡者数は一概に論じることはできません。ある説によると、(年によっても異なりますが) 毎年1,000〜3,000人くらいが亡くなっているとも言われています。間接的な要因まで含めると、多い年には1万人を超えの年も。
まとめ
2020年2月時点でのアメリカにおけるインフルエンザ死亡者数はすでに12000人を超えています。この数字を多いと捉えるか少ないと捉えるかは解釈次第ですが、日本のおよそ3倍の人口を持つアメリカで12000人とすると、日本では4000人いても不思議ではありません。若干なりとも日本の方が少ないのは、「国民皆保険」制度があるからなのかもしれません。2009年4月にメキシコで発生した「豚インフルエンザ」は、人から人へと感染し人類にとって免疫のない「新型インフルエンザ」と認定され、WHO (世界保健機関) は警戒レベルを世界的大流行(パンデミック)前夜とされる「フェーズ5」に引き上げました。
2020年に話題を集めている「新型コロナウイルス」(中国湖北省武漢発) は、人類にとって免疫がないため広範囲に広がるおそれが大きいのですが、致死率はそれほど大きくはないといえそうです。ただ、免疫がないので感染者数が非常に多くなり、致死率は低くとも死亡者数の絶対数はかなりの値となる可能性もあります。季節性のインフルエンザでも、多いときには1万人以上の死亡者数 (日本国内:併発した肺炎等による死亡を含む) となっていますので、感染が広がればそれ以上の死亡者数となってもおかしくはありません。ちなみに「スペインかぜ」も、弱毒性が流行の途中で変化したタイプだったので、今回も注意が必要です。