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我が子を育てられない母親たち 〜 問題は子か親か?

近年、「我が子をうまく育てられない親」が問題となっています。いえ、厳密にいえば昔からそんな親たちは存在したのですが、時代的背景もあって家族・親族や地域社会みなで子育てを行なっていたのです。

一方で、現代社会のお母さんたちは子育ての全てを1人で抱え込んでしまうことも多く、産後うつなども合わさってノイローゼ気味になってしまうママも少なくありません。

 

ただ、今回ここで取り上げる「我が子を育てられない母親」はまた特殊な事情を抱えています。

 

 

 

毒親にネグレクトされた経験がトラウマに...

 18歳で我が子を捨てたA子さんは小学生の頃からよその家で転々と暮らし、現在は風俗嬢の待機室で寝泊まりしています。「私、家庭というものがどんなものなのか、全くわからないんです。だから、子供とか子育てとか言われてもさっぱり。赤ちゃんを産む前も、産んだ後もそうです。」

 

そんなA子さんは出産後わずか数日で我が子を捨てました。

 

 

シングルマザーの子供として生まれ育ったA子さんは、物心ついた頃からアパートで留守番をさせられており、夜ごとに違う男に連れられて泥酔した母親が帰ってくるという毎日。小学高学年になると、母親は数日に1日しか帰って来なくなります。

中学生になると、母は男性を連れ込み同棲に。この男性はA子さんの父親を演じようとしたのかやたら口うるさく、一度キレると手がつけられないほどに暴力を振るい、恐ろしいものでした。母にも、親らしいことは何一つしてもらっていません。

 

 

そんな日が数年続いたある日のこと、家出生活を続けていたA子さんはようやく児童相談所に連れて行かれ、「どうしたい?」と尋ねられます。そこでA子さんはこう答えるのです。「母の彼氏がうざい。アパートから彼を追い出してくれたら帰ってもいい。

しかし、母はA子さんではなく彼を選ぶのです。その結果、A子さんは里親に出されることになるのです。

 

このように、家族としての温かさを何一つ知らずに育ってしまったA子さんは「子育て」というものが全くわからず、我が子を捨ててしまったのです。

 

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性的虐待がトラウマに...

 

 「小学1年の息子が私の胸を触った時、ものすごい恐怖を感じました。ダメです。怖い。この子がもう少し大きくなったら絶対に一緒に暮らせない。」

子供を捨てた経験のある30代のB美さんは、強い口調でそう語っています。実はB美さん、義父と義兄から性的虐待を受けたことが強いトラウマとなっているのです。

 

不仲から両親が離婚したB美さんは母親の再婚相手と一緒に暮らすことに。しかしここで悪夢の出来事が起こってしまうのです。母の目を盗んでは義父や義兄がB美さんを部屋に連れ込み性的嫌がらせをするのです。

この時B美さんはこれが嫌で嫌で仕方なかったのですが、自分がこのことを言えば母親の幸せを壊すことになるかもしれないと思い、じっと耐え、我慢し続けたのです。

 

性的虐待が終わったのは小学高学年になってから。母親と義父がついに離婚したのです。その後B美さんは暗い過去の記憶に蓋をし、中学・高校時代を過ごすことになります。

母はB美さんを置いて夜はスナックに働きに出ます。休日は厚化粧をして楽しそうにデートに出かけます。その後、進学を機に都内の叔父と叔母の家に下宿させてもらうことになるのですが、ここでも叔父から性的いやがらせを受けることに。

 

風呂に入っていればのぞかれ、寝ていれば布団の中に入ってきて体をまさぐられる。部屋に無理やり引きずり込まれて強姦されそうになり、悲鳴を上げてかろうじて逃げ延びたことも。

こうした数々のトラウマが癒えることはなく、結果として子育てに恐怖を感じ我が子を捨ててしまったのです。 

 

 

育児ノイローゼで子育て不能に

派遣社員として職を転々としていたC子さんは30歳の時、仕事で知り合った3歳年上の男性と結婚。彼は子供が大好きで、本当に優しい人でした。新婚生活は幸せで、休みごとに小旅行へ出かけたりショッピングに行ったりして楽しい日々を過ごしていました。

そんな生活が崩壊したのは長男を出産してから。

 

なんと、のちに発達障害と診断される息子は乳幼児期からまったく手に負えない子で、夜中でも一度泣き出したら止まることなく、3歳になってもまったく意思の疎通ができない状態でした。こうしてC子さんは「育児ノイローゼ」になったのです。

精神がおかしくなっていったC子さんは、息子に対しても夫に対してもパニックに陥って暴れ出すようになりました。錯乱状態です。

 

 

この時C子さんがとった行動は、家族からすればまさに「虐待」でした。たとえば、息子が病気になって嘔吐をすると「吐くな!」「泣くな!」と息子を何度も殴りつけてしまう始末。彼女は混乱し暴力をふるうのくり返しです。

結局、精神の均等を崩したことで、子育てに自信が持てないどころか我が子への憎悪だけが残る事態となってしまったのです。しかもそれは息子だけでなく夫にも。

 

その後C子さんは次男をお腹に宿しますが、それを聞いた瞬間にもう無理だと思ったそうです。ただ、中絶という選択肢はありませんでした。特別養子に出すことに決め、合法的に手放す方法をとったのです。

 

 

 

 

おわりに

「育てられない子供を産むんじゃない!」という声もありますが、人にはそれぞれ事情というものがあります。例えば、無理やり強姦されて身籠ってしまい、中絶ができずにそのまま産んでしまうケースだってあるでしょう。

上述してきた事例のように、過去のトラウマがフラッシュバックして、うまく子育てができなくなってしまうお母さんだっているのです。

世の中には、様々なトラウマなどが原因で精神状態に支障をきたし、 それが子供への虐待、そして育児放棄につながっていくケースも少なくないのです。

つまり、「育児ノイローゼ」となってしまう背景には産後うつだけではない、深〜い闇が横たわっているのです。そこに光を当てなければ、なぜ彼女たちが我が子に暴力をふるい、我が子を捨ててしまうのかはわかりません。

 

「世間では、育てられないなら産むなという意見があります。でも、育てられなければ育てられる人に幸せに育ててもらえればいい。」

そんな考え方も一理あるのかもしれません。